増患への道のりは、小手先のテクニックだけで出来るのか?
「ホームページを作れば患者さんが来る?」
「立地さえ良ければ患者さんは来る?」
「医療技術が高ければ患者さんは来る?」
そんなに甘くはないのではないでしょうか?
院長を含めたスタッフによるチーム全体の「ミッション」+「人間力」を高め、
患者さんとその家族または地域に、医療を通じて「感動」を提供し続けることが大切だと私は思います。
そして、院長含めたクリニックの全ての人が、常に医療従事者としてのスキル向上が、
同時に必要であることは言うまでもありません。
はじめに、医療収益の仕組みを考えてみましょう。
①医業収益の公式とは?
まず、一般の企業ではどう考えるか?
業種・業態にかかわらず、売上げを構成する要素は3つです。
その3つとは何でしょうか?
売上=「単価」×「客数」×「リピート率」
*基本的な考え方です(他にも多くの公式はあります)
医業収益も一般の企業の売上と同じです。
医業収益=「診療単価」×「新患(患者数)」×「再患(再患率)」
もし、日本が今後、人口が増加していき、地域のクリニックの数が足りない状況でしたら、
「増患」を考える必要はないです。
ただ、待っているだけで、患者さんはひっきりなしに来るでしょう。
しかし、現実はいかがでしょうか・・・?
Q:今後、「診療単価」は上がりそうですか?
A: 「NO」 改定ごとに下がっています。(今後も下がる?)
Q:今後、人口減少・新しいクリニックの開業など「新患」は増えやすい環境ですか?
A:「NO」 特に地方の人口減少は加速度的に進む予想です。
Q:今後、「再患」は増えそうですか?
A:「NO」人口減少と患者さんの高齢化による影響があります。
まさに、医療経営の3重苦です。
特に一般の企業と大きく違うところは、診療単価(単価)を自由に決められないことです。
「診療単価は国に握られている!」
診療単価は国が決めてコントロールできないので、増収対策は単価以外の方法を考えます。
点数の取り方? 自費率のアップ? 経費の見直し・削減? 新たな手技の習得? など
次に、新患・増患対策は?
こちらは、出来ることが沢山あります。
集患活動・接遇・口コミ・広告/宣伝・HP・清潔さ・リフォーム・地域活動 など
(*私の増患対策シリーズでは主に「新患」「再患」を増やすことを検討します。)
Contents
②増患対策の3つのポイント
- どうしたら、来院してもらえるか?
(インターネット・口コミ など)
- どうしたら、自院のファンになってもらえるか?
(診療・接遇・自院のソフト面とハード面 など)
- どうしたら、患者さんをフォローできるか?
(忘れられないための仕組み)
これら3つのポイントを押さえて計画を立てます。
すぐにできることから、長年コツコツと繰り返すことまで、やれることは多岐に渡します。
流行っているクリニックの共通項は?
なぜ、あのクリニックには、患者さんが多く来院されるのでしょうか?
その主な3つの理由とは何でしょうか?
①立地
②専門・特化(技術)
③院長の人柄とスタッフの対応
ところが・・・
3拍子揃っても来院数が増えるとは必ずしも言えないのが現状です!
ここが面白いです。3拍子揃っていなくても流行っているクリニックがあることも事実です。
ということは、どこのクリニックも増患対策は有効ということです。
少し話は逸れますが
売れない営業マンのグチ ⇒「一見関係なさそうですが共通している」
契約を取る能力は高いはずなのに、なぜかいつも成績が上がらない。
一見関係ない話と思うかもしれませんがクリニックも同じです。
医療技術や専門知識が高水準であっても、必ずしも集患とイコールとは限りません。
医療技術や手技と集患は別だと考えます。
医療の素人である患者さんに、先生やスタッフの医療技術の差別化は難しいのです。
なぜか?それは「事前体験」をさせられないから難しいのです。
例えば、スーパーならどうでしょうか?
「餃子いかがですか?」 など試食コーナーがあり、味見してから買うことができます。
洋服はどうでしょうか? 試着して自分に合っているか判断して買うことができます。
他にも事前体験ができるものは沢山ありますが、、、
医療ではどうでしょうか?事前体験できますか?
診察体験会? お試し手術? お試しカテーテル?・・・・どれも難しそうです。
事前体験ができないから、医療について素人の患者さんが、
先生の医療技術や優れた専門性は分からなくて当然です。
~先生が知っておくべきこと~
診療自体で差別化するのは難しい!素人には違いが分からないから。
③患者が集って来る仕組みがあるか
①新規患者を呼ぶ。
今すぐ患者⇒HP、広告、イベント、セミナーなど
これから患者⇒イベント、セミナー、医院コミュニティーなど
②紹介・口コミを増やす。
自医院のファン患者作り
フォローの仕組みを作る
貴院では、何ができますか?
「新患を集客するためにできることは?」
「紹介・口コミを増やすためにできることは?」
このような問いをクリック全体で考えたらいかがでしょうか?
クリニックの増患対策の難しさの1つ「広告規制」
増患のための媒体は限られています。
電話帳、電信柱・駅、ホームページなどのWEB、
院内報やパンフレット、紹介・口コミ
患者さんがどういう「気持ち」になれば、先生のクリニックを口コミしてくれるでしょうか?
「満足したら?」
きっと診療後にアンケートを取ったら、多くの患者さんが「満足した」と答えるでしょう。
「満足」しているのに、なぜ?増患に繋がる口コミが増えないのか?
~先生が知っておくべきこと~
満足しても患者さんはやって来ない!
満足しても患者さんは来ない
- 期待(before)=実感(after)⇒満足(想定内)
- 期待>実感⇒不満・クレーム
- 期待<実感⇒感動(サプライズ!)
医療の場合は、満足ではなく「感動」しないと口コミになりません。
しかし、なかなか感動しません。
「感動」させることは、なぜ難しいのか?(口コミされないか?)
答え
普通だから
クリニックに受診して病気が治りました!本当は凄い感動と感謝することですが・・・
⇒医療の素人である患者さんから見たら?
クリニックに受診して病気が治ることは、期待通りです。
ということは、普通なのです・・・「感動」まではしないのです。
~先生が知っておくべきこと~
患者の期待を1%上回れ!感動とサプライズを生み出す。
そのために、まずは患者さんの期待を定義しましょう。
定義しないと、アフターがわかりません。
ポイントは、医療本業におかない!
??医療本業におかないとは?
本当は先生の専門性で差別化ができれば良いですが、
患者さんに医療の差別化をさせるのは難しく、期待を超えるのは難しいです。
だとしたら、何をするのか?
患者さんの「期待」を想像してみましょう。
- 診療・接遇・清潔さ・臭い・トイレ
- 掲示物・電話対応・アフターフォロー
- 待ち時間・診察券・待合室。
きっと患者さんは、
「○○について、普通は〇〇〇だと思っているんだろうな。」と想像してみる。
患者さんの期待を定義しましょう。
④口コミが起こるポイント
患者さんはクリニックに「サービス」を期待して来院していない。
期待していないからこそ、そこに感動(サプライズ)が生まれます!
しかし、期待を下回ると・・・
医療機関ではないですが、とてもクレームが多い施設があります。
どこだと思いますか?それは、遊園地やテーマパークです。
なぜか?「お客さんの期待がめちゃくちゃ高いです」
少しのことでクレームになってしまいます。
お客さんは「感動しにきています」感動しないとクレームに繋がってしまいます。
クリニックも同じです。
本業の医療では「治る」という期待が高い。
だから、本業の医療の技術や知識は磨き続ける必要があります。
でも・・・それだけでは、必ずしも増患と直結しないです。
患者さんは、治療以外のことを目的に来院していない!
ここが患者さんの油断しているポイントです。
考えてみましょう!
あなたにAB2つの歯科医院から、同時に定期健診のハガキが届きました。
あなたは、A歯科医院に行くことにしました。
なぜ、あなたはA歯科医院を選んだのですか?
(もしくは、A歯科医院は選ばれるために何を工夫していたんでしょうか?)
積極的口コミOR 消極的口コミ
積極的口コミ
ラーメン・映画・音楽・ファッションなど
いつでも興味あり。話題になりやすい。
消極的口コミ
クリニック(医者)・税理士・弁護士・生命保険・葬儀業など
普段は興味なし。相手から聞かれた時に教えてあげる。
~先生が知っておくべきこと~
口コミとは自慢話である!口コミが起こる場面を想像してみる。
*この「〇〇〇〇」 ここが自院の強みになります。
口コミには決めゼリフが必要!
⑤支持され続けるクリニックになるには
自医院に「売り」がある。その「売り」を上手に表現できる。
クリニック(あなた自身)の「売り」を作る。
「●●で▲▲なクリニックです。」20秒以内でポイント2つ。
◎基本は「一番戦略」と「地域戦略」
◎専門・特化(対象・技術)
◎接遇
◎安心・安全
◎快適さ
◎こだわり
~先生が知っておくべきこと~
USPが口コミを作る!
「●●で▲▲なクリニックです」20秒以内でポイント2つ
*USP(Unique Selling Proposition)とは?
日本では「独自の売り」あるいは「独自の売りの提案」として知られるマーケティング用語。
「独自の売りの提案」を簡潔にまとめたフレーズであり、マーケティングコンセプトを端的にまとめたものと言えます。
まとめ
口コミは何もせずに患者さんから自然発生的には起こりません。
なぜなら、患者さんが医療で満足するのは普通です。口コミは感動しないと発生しません。
医療以外で期待を1%でも上回る「売り」を作る。
それを、患者さんが話しやすいフレーズ(クリニックの独自の売り)にする必要があります。
クリニック「独自の売り」を考えてみませんか? 早速、院内で取り組んでみてください!
医療は事前体験ができません。
しかも先生の優れた医療技術や専門性は患者さんから見たら、他との差別化ができません。
ですから、患者さんから選ばれる仕組みを作ることが大切です。
時代の変化と共に患者さんの動向も変化しています。
クリニックも一般企業のようなマーケティングを考える時代にきています。
~ダーウィンの名言~
『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』
クリニックの経営も時代の変化に柔軟に対応する必要があります。
少しでも先生の医療経営にお役に立てたら幸いです。
*出典・引用 この増患対策は「遠藤晃顧客教育研究所株式会社の研修資料を掲載しております」
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